デリバリー物語《第四話 A》

新たな注文通知を受け取り、新一はペダルを強く踏み込んだ。

 昨日とは打って変わった晴天の下、フランス料理店でのやり取りも相まって気分は透き通っていた。

 だから、なのだろう。

 新一の脳裏に、あの──顔の左側を見せないようにしていた──女性の姿が過ぎった。

 緩い下り坂、ペダルから足を離す。 心地よい風に前髪をなびかせる新一は、突如呼び起こされた過去を反芻し、心が小雨に佇むような感に打たれた。

 どうしてこんなにも引っ掛かるのか……。

 疑問は霧のように、脳を支配する。

 しかし、あくまで自分は一人の配達人にすぎないのだ。 プライバシーの観点からしても、独善的な考えで首を突っ込むわけにもいくまい。

 多分、化粧の途中だったんだろう。

 新一はそう結論付けて、視界に目的地を見付けるや再びペダルに足を乗せた。

 どこまでも蒼かったはずの空を侵食する、遠方の鈍色にも気付かずに。

筆者 三編柚菜



【続きはこちら】

◆デリバリー物語《第五話 A》
イタリアン系ファミレス店の品を、閑静な住宅街の一軒家に配達し終わった時だ。


【ここまでのストーリー】

《第一話》(筆者 空志郎)
ピンポーン!こんばんは、ヤマト運輸です。お荷物お届けに参りました。
ピンポーン!ヨドバシドットコムです。
ピンポーン!アマゾンドットコムです。
ピンポーン!ウーバーイーツです。
ピンポーン!出前館です。
このタワーマンションはいつもこの時間、入口が混雑する。せっかく早く着いてもなかなか順番が回ってこない。
・・・・そしてようやくボクの番。ピンポーン!こんばんは、ウーバーイーツです。テイクアウトの品をお届けに参りました。・・・・「ありがとうございました」「またよろしくお願いします」。
今日のお客はラッキーだった。この分なら今回も高評価は間違いなし。うまく行けば高いチップもゲットできるかもしれない。でも今日の奥さんは少し様子が暗かった。顔の左側を見せないようにしてた感じもした。どうしたんだろう?ふと新一の頭をよぎったが、今日は時間がまだ早いので、新一は気にせずもう1件デリバリーをこなそうと決めた。
外に出ると、雨が降り始めていた。雨雲レーダーをチェックすると、雨雲は小さいが、断続的にやってくる予報だった。今日はもう店じまいにしよう。新一は自宅に帰ろうと決めた。

《第二話 A》(筆者 空志郎)
(別の日)
今日はどんな人に会えるのか。
新一はこの仕事をはじめて3か月になるが、人の生活の一部が垣間見れるこの配達の仕事が密かな楽しみになっていた。
コロナ禍でオンラインでやり取りすることが増え、めっきり他人と会わなくなったことも影響している。
以前はスポーツジムに時々通っていたが、今は密になり行けなくなったので、
もともとは体力づくりと新しいことをはじめる少しの好奇心が目的だった。
それが今は人間観察が第一目的になっていた。
お仕事開始。配達アプリをオンにすると、早速、近くのフランス料理店の注文通知が来た。店に行くと、料理は2人分、ワインも一緒に頼んでいる。ウーバーバッグに料理を詰め込み、新一は店を出発した。

《第三話 A》 (筆者 空志郎)
配達先に着きインターホンを押すと、中から品のある小綺麗な年配女性が出てきた。
いつものように軽い笑顔で事務的に注文の料理を渡そうとしたが、女性は少し人と話しがしたかったらしい。
「ここのフランス料理、本当に美味しいんですよ。お肉も柔らかくて、ソースも何度でも食べたくなる病み付きになるお味なの」
「ありがとうございます」
「3年前の金婚式の記念日に主人に連れてってもらったんだけど。。そのあと主人は脳卒中で車椅子になり、外出したがらなくなっちゃったからもう行けないなと諦めてたんだけど、この前、娘からこのフランス料理屋さんがデリバリー可能になったと聞いてね。。本当にありがとう。配達ご苦労様です」。年配女性は配達員に深く感謝した。
女性は新一をフランス料理店側の人間と少し混同している感じだった。ただ、新一は自分が料理したわけではないのに、ほっこりした温かい気持ちになった。便利の一端を担うだけと思っていたが、人のためにもなってるのだと感じた瞬間だった。

《第四話 A》 (筆者 三編柚菜)
新たな注文通知を受け取り、新一はペダルを強く踏み込んだ。

 昨日とは打って変わった晴天の下、フランス料理店でのやり取りも相まって気分は透き通っていた。

 だから、なのだろう。

 新一の脳裏に、あの──顔の左側を見せないようにしていた──女性の姿が過ぎった。

 緩い下り坂、ペダルから足を離す。 心地よい風に前髪をなびかせる新一は、突如呼び起こされた過去を反芻し、心が小雨に佇むような感に打たれた。

 どうしてこんなにも引っ掛かるのか……。

 疑問は霧のように、脳を支配する。

 しかし、あくまで自分は一人の配達人にすぎないのだ。 プライバシーの観点からしても、独善的な考えで首を突っ込むわけにもいくまい。

 多分、化粧の途中だったんだろう。

 新一はそう結論付けて、視界に目的地を見付けるや再びペダルに足を乗せた。

 どこまでも蒼かったはずの空を侵食する、遠方の鈍色にも気付かずに。


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【青春小説】春色の思い出とともに《第三話 A》

「夏目さんって可愛いよな。」
「……そうか? 別に普通じゃね?」
 俺は一瞬、心の奥を見透かされたような気がして気づけば思ってもいない返答をしていた。 放課後の図書室、今は同じ5番グループの西條 誠(さいじょう まこと)と2人で課題の【戦国武将の愛したファッション】で集めた資料を前に話し合いをしていたところだ。

筆者 物部木絹子



【続きはこちら】

◆【青春小説】春色の思い出とともに《第四話 A》
西條はメモ書きしていたシャープペンシルを机にコトリ、と置く。


【ここまでのストーリー】

《第一話》(筆者 矢田川いつき)
「アキー! 一緒に帰ろー!」
放課後のチャイムと同時に、猪の如く向かってくる影がひとつ。
しかし俺は、それを華麗なステップでかわす。
「甘い!」
「わー! 避けないでー!」
ドシーン、と音を立てそうな勢いで彼女が転びそうになる……が、受け止めるまでが俺の役目。
「大丈夫か、真菜?」
「ありがと……って、誰のせいだと!」
「ハハハ」
何気ない、いつもの日常。
ずっと続くと、思ってた。
「帰るか」
「うん!」
俺らはもう……高校3年生だ。

《第二話 C》(筆者 suzu)
俺が真菜と初めて出会ったのは、高校に入学してから1週間くらいが経ったある日のこと。
各クラス全体を少人数で割り振り、レポート作成や校外探検などを行う、いわゆる課外活動。
「えー、それでは今から番号を振っていきます。自分と同じ番号の人とグループになってください!」
見るからに新人な男性教員が賑わう生徒達に声をかける。
俺はそれでも静寂にならない教室の様子に1つ息を吐き、窓際の席に座りながら風で宙を舞う桜の花びらを見つめていた。
「…重いな」
人見知りの部分がある俺にすると、正直レポートより気が重かった。友達からはそうは見えないと言われるけど、本当に苦手で。
グループワークなんて入学間もない時期はあるあるだと分かっていても、早く終わらないか考えてばかり。
数分後、俺は先生から5番という数字を言い渡され、仕方ないと言い聞かせて彼の合図でグループの人を探すことになった。
「あ、5番?」
「、ああ」
「よろしくな」
グループは全員で3人。まずは1人、隣のクラスの男子を見つける。
ーーすると、背後からツンツンと背中を突かれた。
「ねぇ、何番?」
「あ、俺は5番─…」
黒髪のセミロングに、パッチリとした瞳。一気に吸い込まれる。
「本当に?私も5番。一緒だ!」
それから放課後、図書室で一緒に資料を作ったり。発表の時には小さな声で打ち合わせをしたり。
端から見たら何ともない…どこにでもある景色だと思う。
「私は真菜。真菜で良いよ」
「…よろしく、真菜。俺は…アキ」
「アキ、よろしくね」
────でも、きっと俺は。
君がそう、俺に微笑んだあの瞬間から、始まっていたんだ。

《第三話 A》(筆者 物部木絹子)
「夏目さんって可愛いよな。」
「……そうか? 別に普通じゃね?」
 俺は一瞬、心の奥を見透かされたような気がして気づけば思ってもいない返答をしていた。
 放課後の図書室、今は同じ5番グループの西條 誠(さいじょう まこと)と2人で課題の【戦国武将の愛したファッション】で集めた資料を前に話し合いをしていたところだ。


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みんなで繋ぐ物語(RWY)《第四話 C》

いつものように沖に漕ぎ出したお爺さんですが、妙な事に気が付きました。
「む! 金星の位置が……違う!?」
ポチも、何かの変化に気付いたのか、唸り声を上げて周辺を警戒している!

筆者 コンロード



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◆みんなで繋ぐ物語(RWY)《第五話 B》
おじいさんが、違和感の正体を確かめるべく、じっと金星を見つめていると、


【ここまでのストーリー】

《第一話》(筆者 虹若丸)
昔、昔、あるところにおじいさんとおばあさんとポチが住んでいました!
ある日、おじいさんは海へ釣りに出かけました・・・。

《第二話 A》(筆者 ミミ子ちぶちぶ隊番犬)
おばあさんから
「おじいさん ポチも釣りに連れて行ってください。散歩兼お供に。」と言われました。
大きなおにぎり2つを腰につけ出発〜♪

《第三話 A》(筆者 パチビードク)
海岸にはおじいさん専用の小舟があります。おじいさんはいつもこの小舟で、
海岸から少し離れた沖へ出かけます。
「ポチ、行くよ!」
おじいさんは、小舟をこぎはじめました。

《第四話 C》(筆者 コンロード)
いつものように沖に漕ぎ出したお爺さんですが、妙な事に気が付きました。
「む! 金星の位置が……違う!?」
ポチも、何かの変化に気付いたのか、唸り声を上げて周辺を警戒している!


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みんなで繋ぐ物語(RWY)《第七話 A》

その時、ろくに仕事もせず暇しているおばあさんが現れ、言いました。
「誰がポチを犬だと言った」
「!?」
女神様は二度見三度見、犬犬犬。どう見てもポチは犬です。
よくわからないことを言うおばあさんを見て、おじいさんに電流走る────
「女神様や、女神様。この婆を差し出すゆえポチを返してくれまいか。それと、犬のポチも、くれまいか」
おじいさんはおばあさんを女神様に差し出しました。
「……」
「足りぬと言われるならこれ、おにぎりを、女神様に差し出すゆえ」
おじいさんは米粒を女神様に差し出しました。
「…………」

筆者 さいんず



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◆みんなで繋ぐ物語(RWY)《第八話 B》
すると女神様はさっきと比べ物にならないくらい優しい口調で言いました。


【ここまでのストーリー】

《第一話》(筆者 虹若丸)
昔、昔、あるところにおじいさんとおばあさんとポチが住んでいました!
ある日、おじいさんは海へ釣りに出かけました・・・。

《第二話 A》(筆者 ミミ子ちぶちぶ隊番犬)
おばあさんから
「おじいさん ポチも釣りに連れて行ってください。散歩兼お供に。」と言われました。
大きなおにぎり2つを腰につけ出発〜♪

《第三話 A》(筆者 パチビードク)
海岸にはおじいさん専用の小舟があります。おじいさんはいつもこの小舟で、
海岸から少し離れた沖へ出かけます。
「ポチ、行くよ!」
おじいさんは、小舟をこぎはじめました。

《第四話 A》(筆者 フルマックス)
空にはたくさんのカモメがで飛んでいました。突然、その中の2羽が急降下を始めました。
狙いはおにぎりです。
おじいさんは釣竿、ポチは大声で必死に抵抗しましたが、おにぎり全部をカモメに獲られてしまいました。

《第五話 A》(筆者 パチビードク)
「クソ!どろぼうカモメめ。今度、つかまえて、やきとりにして食ってやるから、覚えてろ!」
おじいさんはイライラしながらも気を取り直して、釣り糸を海へ投げ込みました。
すると、すぐに竿が震えました。
おじいさん「わぉ、引きずり込まれる。」
どうやら、大物がかかったようです。
「だめだ!大きすぎる。このままでは、俺が引き込まれる。」
舟が大きく傾きました。
「てんぷくする!」
その時、魚体の姿が現れました。
「でかい!」
「ワン、ワワン、ワン!」けんめいに
吠えるポチ。
「だめだ、引きずられる。」
「ウー!ワン」
ポチが海へ飛び込み、その魚体におそいかかりました。
「ポチ!」
ポチと魚体は海中に、引きずり込まれました。
「ポチ…」

《第六話 A》(筆者 さいんず)
するとなんと、海中の女神様が生物を二匹掴み出てきたではありませんか!
「あなたが落としたのはよくわからん魚ですか? それとも犬のポチですか?」
「いや落としたわけでは」
「うるさいな……さっさと答えろ老いぼれ! 釣りだの騒ぎやがって迷惑なんだよ!」
 おじいさんは思いました。もっと労ってくれ、と。

《第七話 A》(筆者 さいんず)
その時、ろくに仕事もせず暇しているおばあさんが現れ、言いました。
「誰がポチを犬だと言った」
「!?」
女神様は二度見三度見、犬犬犬。どう見てもポチは犬です。
よくわからないことを言うおばあさんを見て、おじいさんに電流走る────
「女神様や、女神様。この婆を差し出すゆえポチを返してくれまいか。それと、犬のポチも、くれまいか」
おじいさんはおばあさんを女神様に差し出しました。
「……」
「足りぬと言われるならこれ、おにぎりを、女神様に差し出すゆえ」
おじいさんは米粒を女神様に差し出しました。
「…………」


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みんなで繋ぐ物語(RWY)《第六話 A》

するとなんと、海中の女神様が生物を二匹掴み出てきたではありませんか!

「あなたが落としたのはよくわからん魚ですか? それとも犬のポチですか?」
「いや落としたわけでは」
「うるさいな……さっさと答えろ老いぼれ! 釣りだの騒ぎやがって迷惑なんだよ!」

 おじいさんは思いました。もっと労ってくれ、と。

筆者 さいんず



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◆みんなで繋ぐ物語(RWY)《第七話 A》
その時、ろくに仕事もせず暇しているおばあさんが現れ、言いました。


【ここまでのストーリー】

《第一話》(筆者 虹若丸)
昔、昔、あるところにおじいさんとおばあさんとポチが住んでいました!
ある日、おじいさんは海へ釣りに出かけました・・・。

《第二話 A》(筆者 ミミ子ちぶちぶ隊番犬)
おばあさんから
「おじいさん ポチも釣りに連れて行ってください。散歩兼お供に。」と言われました。
大きなおにぎり2つを腰につけ出発〜♪

《第三話 A》(筆者 パチビードク)
海岸にはおじいさん専用の小舟があります。おじいさんはいつもこの小舟で、
海岸から少し離れた沖へ出かけます。
「ポチ、行くよ!」
おじいさんは、小舟をこぎはじめました。

《第四話 A》(筆者 フルマックス)
空にはたくさんのカモメがで飛んでいました。突然、その中の2羽が急降下を始めました。
狙いはおにぎりです。
おじいさんは釣竿、ポチは大声で必死に抵抗しましたが、おにぎり全部をカモメに獲られてしまいました。

《第五話 A》(筆者 パチビードク)
「クソ!どろぼうカモメめ。今度、つかまえて、やきとりにして食ってやるから、覚えてろ!」
おじいさんはイライラしながらも気を取り直して、釣り糸を海へ投げ込みました。
すると、すぐに竿が震えました。
おじいさん「わぉ、引きずり込まれる。」
どうやら、大物がかかったようです。
「だめだ!大きすぎる。このままでは、俺が引き込まれる。」
舟が大きく傾きました。
「てんぷくする!」
その時、魚体の姿が現れました。
「でかい!」
「ワン、ワワン、ワン!」けんめいに
吠えるポチ。
「だめだ、引きずられる。」
「ウー!ワン」
ポチが海へ飛び込み、その魚体におそいかかりました。
「ポチ!」
ポチと魚体は海中に、引きずり込まれました。
「ポチ…」

《第六話 A》(筆者 さいんず)
するとなんと、海中の女神様が生物を二匹掴み出てきたではありませんか!
「あなたが落としたのはよくわからん魚ですか? それとも犬のポチですか?」
「いや落としたわけでは」
「うるさいな……さっさと答えろ老いぼれ! 釣りだの騒ぎやがって迷惑なんだよ!」
 おじいさんは思いました。もっと労ってくれ、と。


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みんなで繋ぐ物語(RWY)《第五話 A》

「クソ!どろぼうカモメめ。今度、つかまえて、やきとりにして食ってやるから、覚えてろ!」
おじいさんはイライラしながらも気を取り直して、釣り糸を海へ投げ込みました。

すると、すぐに竿が震えました。
おじいさん「わぉ、引きずり込まれる。」
どうやら、大物がかかったようです。
「だめだ!大きすぎる。このままでは、俺が引き込まれる。」
舟が大きく傾きました。

「てんぷくする!」

その時、魚体の姿が現れました。
「でかい!」
「ワン、ワワン、ワン!」けんめいに
吠えるポチ。

「だめだ、引きずられる。」
「ウー!ワン」
ポチが海へ飛び込み、その魚体におそいかかりました。

「ポチ!」

ポチと魚体は海中に、引きずり込まれました。

「ポチ…」

筆者 パチビードク



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◆みんなで繋ぐ物語(RWY)《第六話 A》
するとなんと、海中の女神様が生物を二匹掴み出てきたではありませんか!

◆みんなで繋ぐ物語(RWY)《第六話 C》
「もうだめだ、引きずり込まれる」
諦めかけた時、ポチが必死に釣糸を噛み切ろうとしているのが見えました。


【ここまでのストーリー】

《第一話》(筆者 虹若丸)
昔、昔、あるところにおじいさんとおばあさんとポチが住んでいました!
ある日、おじいさんは海へ釣りに出かけました・・・。

《第二話 A》(筆者 ミミ子ちぶちぶ隊番犬)
おばあさんから
「おじいさん ポチも釣りに連れて行ってください。散歩兼お供に。」と言われました。
大きなおにぎり2つを腰につけ出発〜♪

《第三話 A》(筆者 パチビードク)
海岸にはおじいさん専用の小舟があります。おじいさんはいつもこの小舟で、
海岸から少し離れた沖へ出かけます。
「ポチ、行くよ!」
おじいさんは、小舟をこぎはじめました。

《第四話 A》(筆者 フルマックス)
空にはたくさんのカモメがで飛んでいました。突然、その中の2羽が急降下を始めました。
狙いはおにぎりです。
おじいさんは釣竿、ポチは大声で必死に抵抗しましたが、おにぎり全部をカモメに獲られてしまいました。

《第五話 A》(筆者 パチビードク)
「クソ!どろぼうカモメめ。今度、つかまえて、やきとりにして食ってやるから、覚えてろ!」
おじいさんはイライラしながらも気を取り直して、釣り糸を海へ投げ込みました。

すると、すぐに竿が震えました。
おじいさん「わぉ、引きずり込まれる。」
どうやら、大物がかかったようです。
「だめだ!大きすぎる。このままでは、俺が引き込まれる。」
舟が大きく傾きました。

「てんぷくする!」

その時、魚体の姿が現れました。
「でかい!」
「ワン、ワワン、ワン!」けんめいに
吠えるポチ。

「だめだ、引きずられる。」
「ウー!ワン」
ポチが海へ飛び込み、その魚体におそいかかりました。

「ポチ!」

ポチと魚体は海中に、引きずり込まれました。

「ポチ…」


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【青春小説】春色の思い出とともに《第二話 C》

俺が真菜と初めて出会ったのは、高校に入学してから1週間くらいが経ったある日のこと。
各クラス全体を少人数で割り振り、レポート作成や校外探検などを行う、いわゆる課外活動。

「えー、それでは今から番号を振っていきます。自分と同じ番号の人とグループになってください!」

見るからに新人な男性教員が賑わう生徒達に声をかける。
俺はそれでも静寂にならない教室の様子に1つ息を吐き、窓際の席に座りながら風で宙を舞う桜の花びらを見つめていた。

「…重いな」

人見知りの部分がある俺にすると、正直レポートより気が重かった。友達からはそうは見えないと言われるけど、本当に苦手で。
グループワークなんて入学間もない時期はあるあるだと分かっていても、早く終わらないか考えてばかり。

数分後、俺は先生から5番という数字を言い渡され、仕方ないと言い聞かせて彼の合図でグループの人を探すことになった。

「あ、5番?」
「、ああ」
「よろしくな」

グループは全員で3人。まずは1人、隣のクラスの男子を見つける。

ーーすると、背後からツンツンと背中を突かれた。

「ねぇ、何番?」
「あ、俺は5番─…」

黒髪のセミロングに、パッチリとした瞳。一気に吸い込まれる。

「本当に?私も5番。一緒だ!」

それから放課後、図書室で一緒に資料を作ったり。発表の時には小さな声で打ち合わせをしたり。
端から見たら何ともない…どこにでもある景色だと思う。

「私は真菜。真菜で良いよ」
「…よろしく、真菜。俺は…アキ」
「アキ、よろしくね」

────でも、きっと俺は。
君がそう、俺に微笑んだあの瞬間から、始まっていたんだ。

筆者 suzu



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◆【青春小説】春色の思い出とともに《第三話 A》
「夏目さんって可愛いよな。」「……そうか? 別に普通じゃね?」

◆【青春小説】春色の思い出とともに《第三話 B》
課外活動のグループで真菜と知り合ってから数ヶ月。特に切り取って挙げるほどの出来事はなかった。


【ここまでのストーリー】

《第一話》(筆者 矢田川いつき)
「アキー! 一緒に帰ろー!」
放課後のチャイムと同時に、猪の如く向かってくる影がひとつ。
しかし俺は、それを華麗なステップでかわす。
「甘い!」
「わー! 避けないでー!」
ドシーン、と音を立てそうな勢いで彼女が転びそうになる……が、受け止めるまでが俺の役目。
「大丈夫か、真菜?」
「ありがと……って、誰のせいだと!」
「ハハハ」
何気ない、いつもの日常。
ずっと続くと、思ってた。
「帰るか」
「うん!」
俺らはもう……高校3年生だ。

《第二話 C》(筆者 suzu)
俺が真菜と初めて出会ったのは、高校に入学してから1週間くらいが経ったある日のこと。
各クラス全体を少人数で割り振り、レポート作成や校外探検などを行う、いわゆる課外活動。

「えー、それでは今から番号を振っていきます。自分と同じ番号の人とグループになってください!」

見るからに新人な男性教員が賑わう生徒達に声をかける。
俺はそれでも静寂にならない教室の様子に1つ息を吐き、窓際の席に座りながら風で宙を舞う桜の花びらを見つめていた。

「…重いな」

人見知りの部分がある俺にすると、正直レポートより気が重かった。友達からはそうは見えないと言われるけど、本当に苦手で。
グループワークなんて入学間もない時期はあるあるだと分かっていても、早く終わらないか考えてばかり。

数分後、俺は先生から5番という数字を言い渡され、仕方ないと言い聞かせて彼の合図でグループの人を探すことになった。

「あ、5番?」
「、ああ」
「よろしくな」

グループは全員で3人。まずは1人、隣のクラスの男子を見つける。

ーーすると、背後からツンツンと背中を突かれた。

「ねぇ、何番?」
「あ、俺は5番─…」

黒髪のセミロングに、パッチリとした瞳。一気に吸い込まれる。

「本当に?私も5番。一緒だ!」

それから放課後、図書室で一緒に資料を作ったり。発表の時には小さな声で打ち合わせをしたり。
端から見たら何ともない…どこにでもある景色だと思う。

「私は真菜。真菜で良いよ」
「…よろしく、真菜。俺は…アキ」
「アキ、よろしくね」

────でも、きっと俺は。
君がそう、俺に微笑んだあの瞬間から、始まっていたんだ。


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【青春小説】春色の思い出とともに《第二話 B》

俺の名前は『秋田明雄』、みんなからは「アキ」と呼ばれている。
そして、こいつは幼馴染みの『板野真菜』、幼少の頃は「まないた」と呼ばれよくからかわれていた・・・。
あれは小一の運動会の時だった・・・

筆者 虹若丸



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【ここまでのストーリー】

《第一話》(筆者 矢田川いつき)
「アキー! 一緒に帰ろー!」
放課後のチャイムと同時に、猪の如く向かってくる影がひとつ。
しかし俺は、それを華麗なステップでかわす。
「甘い!」
「わー! 避けないでー!」
ドシーン、と音を立てそうな勢いで彼女が転びそうになる……が、受け止めるまでが俺の役目。
「大丈夫か、真菜?」
「ありがと……って、誰のせいだと!」
「ハハハ」
何気ない、いつもの日常。
ずっと続くと、思ってた。
「帰るか」
「うん!」
俺らはもう……高校3年生だ。

《第二話 B》(筆者 虹若丸)
俺の名前は『秋田明雄』、みんなからは「アキ」と呼ばれている。
そして、こいつは幼馴染みの『板野真菜』、幼少の頃は「まないた」と呼ばれよくからかわれていた・・・。
あれは小一の運動会の時だった・・・


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【青春小説】春色の思い出とともに《第二話 A》

俺と真菜が出会ったのは高校1年の夏。暑い日だった。
学校帰りにバス停に向かう途中、急な夕立ちに見舞われ折りたたみ傘を出すと…
「すみません!その傘、一緒に入れて下さい!」と急に女の子が少しぶつかり気味に入ってきた。
「おーっとっと…えっ!なに?」
「今日、雨の予報なんてなかったよね。あーこんなに濡れちゃったー」
「あっ、このハンカチ使います?」
「ありがとう……これって相合い傘ですよねー。少しドキドキしますね。しませんか?」
「いや、まあー」
「いつもバスで本読んでますよね!どんな本を読んでるんですか?」
「いや、まあー……」

それが真菜と俺の最初の出会いだった。

筆者 ハニービースト



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◆【青春小説】春色の思い出とともに《第三話 C》
傘で覆われる空間は一種のパーソナルスペースだと考えている。


【ここまでのストーリー】

《第一話》(筆者 矢田川いつき)
「アキー! 一緒に帰ろー!」
放課後のチャイムと同時に、猪の如く向かってくる影がひとつ。
しかし俺は、それを華麗なステップでかわす。
「甘い!」
「わー! 避けないでー!」
ドシーン、と音を立てそうな勢いで彼女が転びそうになる……が、受け止めるまでが俺の役目。
「大丈夫か、真菜?」
「ありがと……って、誰のせいだと!」
「ハハハ」
何気ない、いつもの日常。
ずっと続くと、思ってた。
「帰るか」
「うん!」
俺らはもう……高校3年生だ。

《第二話 A》(筆者 ハニービースト)
俺と真菜が出会ったのは高校1年の夏。暑い日だった。
学校帰りにバス停に向かう途中、急な夕立ちに見舞われ折りたたみ傘を出すと…
「すみません!その傘、一緒に入れて下さい!」と急に女の子が少しぶつかり気味に入ってきた。
「おーっとっと…えっ!なに?」
「今日、雨の予報なんてなかったよね。あーこんなに濡れちゃったー」
「あっ、このハンカチ使います?」
「ありがとう……これって相合い傘ですよねー。少しドキドキしますね。しませんか?」
「いや、まあー」
「いつもバスで本読んでますよね!どんな本を読んでるんですか?」
「いや、まあー……」

それが真菜と俺の最初の出会いだった。


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【青春小説】春色の思い出とともに《第一話》

「アキー! 一緒に帰ろー!」
放課後のチャイムと同時に、猪の如く向かってくる影がひとつ。
しかし俺は、それを華麗なステップでかわす。
「甘い!」
「わー! 避けないでー!」
ドシーン、と音を立てそうな勢いで彼女が転びそうになる……が、受け止めるまでが俺の役目。
「大丈夫か、真菜?」
「ありがと……って、誰のせいだと!」
「ハハハ」
何気ない、いつもの日常。
ずっと続くと、思ってた。
「帰るか」
「うん!」
俺らはもう……高校3年生だ。

筆者 矢田川いつき



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◆【青春小説】春色の思い出とともに《第二話 A》
俺と真菜が出会ったのは高校1年の夏。暑い日だった。

◆【青春小説】春色の思い出とともに《第二話 B》
俺の名前は『秋田明雄』、みんなからは「アキ」と呼ばれている。

◆【青春小説】春色の思い出とともに《第二話 C》
俺が真菜と初めて出会ったのは、高校に入学してから1週間くらいが経ったある日のこと。


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