みんなで繋ぐ物語(RWY)《第五話 C》

「でもどうして、鬼退治にキジと犬が必要なんだろうね?よく考えたら、わしは釣りをしたいだけなんだよ」

ふと立ち止まって、おじいさんがマジになりました。
自分をサルだという犬のポチは、困ったようにおじいさんの顔を見上げました。

「だって、鬼退治……」

「あの島には、もう鬼はいないんだよ」

ポチがしょんぼり耳を垂れる。

「おじいさん……せめて犬だけでも探そうよ」

「どうして犬にこだわるんだい?」

「だって……ぼ、……僕には生き別れの兄弟が」

「ポチの兄弟は3軒隣にいるじゃないか」

「うう……」

言葉を探してポチが固まり、うなだれた。

「おじいさん…………」

顔を上げて見つめると、おじいさんがよっこらしょと、しゃがんでポチの顔を撫でる。
するといつものように、ボスッとおじいさんの脇に鼻先を突っ込み、ポチが思いがけない事を言った。

「おじいさん、僕はもう、天国に帰らなくてはいけないんです」

筆者 ライ麦畑



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【ここまでのストーリー】

《第一話》(筆者 虹若丸)
昔、昔、あるところにおじいさんとおばあさんとポチが住んでいました!
ある日、おじいさんは海へ釣りに出かけました・・・。

《第二話 A》(筆者 ミミ子ちぶちぶ隊番犬)
おばあさんから
「おじいさん ポチも釣りに連れて行ってください。散歩兼お供に。」と言われました。
大きなおにぎり2つを腰につけ出発〜♪

《第三話 B》(筆者 新参者)
おじいさんとポチは釣竿片手に歩き始めました。海に着くと向こう側に鬼ヶ島が見えます。
あれはかつて桃太郎が退治したという鬼が住まう島です。
ポチは言いました。

「おじいさん!あと犬とキジがいれば鬼退治ができるね!」

なんと!ポチはおさるさんだったのです!

《第四話 D》(筆者 新参者)
「なんでそうなるの、、」おじいさんは心の中でこう呟きました。

ポチは続けて「魚を釣るにしたって仲間が多いに越した事はないよ?旅は道連れ世は情けって言うじゃない、だから犬とキジを探しに行こう!」と言いました。

言われてみればそうだなと思い、おじいさんは犬とキジを探す事にしました。

かくして2人は犬とキジを探す旅にでるのであった。

《第三話 B》(筆者 ライ麦畑)
「でもどうして、鬼退治にキジと犬が必要なんだろうね?よく考えたら、わしは釣りをしたいだけなんだよ」

ふと立ち止まって、おじいさんがマジになりました。
自分をサルだという犬のポチは、困ったようにおじいさんの顔を見上げました。

「だって、鬼退治……」

「あの島には、もう鬼はいないんだよ」

ポチがしょんぼり耳を垂れる。

「おじいさん……せめて犬だけでも探そうよ」

「どうして犬にこだわるんだい?」

「だって……ぼ、……僕には生き別れの兄弟が」

「ポチの兄弟は3軒隣にいるじゃないか」

「うう……」

言葉を探してポチが固まり、うなだれた。

「おじいさん…………」

顔を上げて見つめると、おじいさんがよっこらしょと、しゃがんでポチの顔を撫でる。
するといつものように、ボスッとおじいさんの脇に鼻先を突っ込み、ポチが思いがけない事を言った。

「おじいさん、僕はもう、天国に帰らなくてはいけないんです」


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