「待ちな! ジジイ! この和三盆は、一体どこから持って来やがった!」
憤るおばあさん。
実は、この和三盆は、おばあさんがお爺さんのいない間にこっそり食べようと隠していた物だったのです。
「甘い! 和三盆のように甘いぞ! このジジイの目を誤魔化せると思うほうがおかしい!」
高らかに笑うお爺さん。
何やら不穏な空気に、和三盆を食べ切ってしまったポチは、気まずい思いをして、尻尾を巻いてガタガタと震えていました。
筆者 ふたよ
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◆みんなで繋ぐ物語(RWY)《第十話 A》
ちょうどその頃、沖合では大和の乗組員が米軍が来るのを待ち構えていました。
【ここまでのストーリー】
《第一話》(筆者 虹若丸)
昔、昔、あるところにおじいさんとおばあさんとポチが住んでいました!
ある日、おじいさんは海へ釣りに出かけました・・・。
《第二話 A》(筆者 ミミ子ちぶちぶ隊番犬)
おばあさんから
「おじいさん ポチも釣りに連れて行ってください。散歩兼お供に。」と言われました。
大きなおにぎり2つを腰につけ出発〜♪
《第三話 A》(筆者 パチビードク)
海岸にはおじいさん専用の小舟があります。おじいさんはいつもこの小舟で、
海岸から少し離れた沖へ出かけます。
「ポチ、行くよ!」
おじいさんは、小舟をこぎはじめました。
《第四話 A》(筆者 フルマックス)
空にはたくさんのカモメがで飛んでいました。突然、その中の2羽が急降下を始めました。
狙いはおにぎりです。
おじいさんは釣竿、ポチは大声で必死に抵抗しましたが、おにぎり全部をカモメに獲られてしまいました。
《第五話 A》(筆者 パチビードク)
「クソ!どろぼうカモメめ。今度、つかまえて、やきとりにして食ってやるから、覚えてろ!」
おじいさんはイライラしながらも気を取り直して、釣り糸を海へ投げ込みました。
すると、すぐに竿が震えました。
おじいさん「わぉ、引きずり込まれる。」
どうやら、大物がかかったようです。
「だめだ!大きすぎる。このままでは、俺が引き込まれる。」
舟が大きく傾きました。
「てんぷくする!」
その時、魚体の姿が現れました。
「でかい!」
「ワン、ワワン、ワン!」けんめいに
吠えるポチ。
「だめだ、引きずられる。」
「ウー!ワン」
ポチが海へ飛び込み、その魚体におそいかかりました。
「ポチ!」
ポチと魚体は海中に、引きずり込まれました。
「ポチ…」
《第六話 A》(筆者 さいんず)
するとなんと、海中の女神様が生物を二匹掴み出てきたではありませんか!
「あなたが落としたのはよくわからん魚ですか? それとも犬のポチですか?」
「いや落としたわけでは」
「うるさいな……さっさと答えろ老いぼれ! 釣りだの騒ぎやがって迷惑なんだよ!」
おじいさんは思いました。もっと労ってくれ、と。
《第七話 A》(筆者 さいんず)
その時、ろくに仕事もせず暇しているおばあさんが現れ、言いました。
「誰がポチを犬だと言った」
「!?」
女神様は二度見三度見、犬犬犬。どう見てもポチは犬です。
よくわからないことを言うおばあさんを見て、おじいさんに電流走る────
「女神様や、女神様。この婆を差し出すゆえポチを返してくれまいか。それと、犬のポチも、くれまいか」
おじいさんはおばあさんを女神様に差し出しました。
「……」
「足りぬと言われるならこれ、おにぎりを、女神様に差し出すゆえ」
おじいさんは米粒を女神様に差し出しました。
「…………」
《第八話 B》(筆者 秋桜)
すると女神様はさっきと比べ物にならないくらい優しい口調で言いました。
「どれもいりませんわ。この子はお返しします。」
そしておじいさんにポチを渡すと、海へ帰っていきました。
ポチが「クゥーン」と、鳴きました。お腹が空いたようです。おじいさんはポチに和三盆を渡しました。「ポチ、お食べ」おじいさんがそう言うと、よほどお腹が減っていたのでしょう。ポチはがぶりと食いつき、むしゃむしゃと食べ始めました。
《第九話 B》(筆者 ふたよ)
「待ちな! ジジイ! この和三盆は、一体どこから持って来やがった!」
憤るおばあさん。
実は、この和三盆は、おばあさんがお爺さんのいない間にこっそり食べようと隠していた物だったのです。
「甘い! 和三盆のように甘いぞ! このジジイの目を誤魔化せると思うほうがおかしい!」
高らかに笑うお爺さん。
何やら不穏な空気に、和三盆を食べ切ってしまったポチは、気まずい思いをして、尻尾を巻いてガタガタと震えていました。
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