【青春小説】春色の思い出とともに《第六話 A》
「……そうなんだ!」
自分でも言い方がぎこちなかったとは感じたけれど、向こうにも何となく気まずい空気は伝わってたみたいで少しの間言葉を探す彼女との間に沈黙が流れる。
「……俺、事故に遭ってさ、昨年の5月。軽く走ったりは平気なんだけど部活でやるってなったらちょっと厳しい、的なこと言われちゃって。」
ペラペラ暴露してしまう自分が他人のように思えた。でも何だか
『どうして?』
先にそう訊かれるのが矢鱈に怖かったのだ。
筆者 物部木絹子
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