デリバリー物語《第九話 A》

再び新一の懐古が始まる。

そう、僕は雫と同棲していた。同棲といっても別々にアパートを借りていた。しかしほとんど僕のアパートに入り浸りだ。すなわち半同棲みたいなものだ。

「新一さん、いつまでこの仕事しているの。新一さんは、いつまでもここでアルバイトしている人ではないわ」
僕も気付いていた。このままでは結婚など出来ない。そして、本格的に就職活動を始めた。
そのかいあって、ようやく正社員に採用された。
仕事は忙しく、毎日朝早くから夜遅くまで働き詰めだった。ほとんどヘトヘトになってアパート帰った。
当然、雫と一緒にいる時間は減った。雫は自分のアパートへ戻ってしまった。
僕は内心ほっとした。
そして、あの事件が起こってしまった。

筆者 パチビードク


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デリバリー物語《第九話 A》 - 百人小説

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