第2章 身近な法則と広い世界の法則

地上の法則(身近な法則、ローカル法則)と、より広い世界の(普遍的な)法則(ユニバーサル法則)

前節の「なぜ日がのぼり沈むのか」でつたない説明をしましたように、地球上にいる人は大地系とでも言うべき、圧倒的な思考の範囲として大地=地球を中心に物事を考えます。地上にいることに慣れきって感性を育んできました。その中で、地上で通用する法則を見出してきました。またそれがどんな世界でも通用すると考えてきました。

例えば、
① 物は上から下へ落ちる
地球が丸いと教わると、なぜ反対にいる人は落ちてしまわないのか不思議でなりません。
② 軽いものほどゆっくり落ちる
鳥の羽はなかなか落ちません。
③投げたものはやがて地上に落ちて静止する
③ 地球の周りを太陽が回る(天動説)
この現象は日が東から昇り、西に沈むのとは違う現象です。四季を通じて、星を観察して分かる地球の太陽系の中での動き方です。

などです。これは誰でも身の回りで経験して受け入れやすいものです。
これらの法則をローカル法則と呼びましょう。

2)より普遍的な法則=ユニバーサル法則(より広い世界の法則)

これに対して、より深い考察のもとで、地上にいることの特殊要因を除いた法則をユニバーサル法則と呼びましょう。

例えば上にあげたローカル法則に対して

①星は宇宙空間に浮いていて、万有引力で引き合って運動している。
地上では地球が物を地上にひきつけている。
その結果地上では物が上から下に落ちる。
上下の感性は地上だけで起こるものである。
②全ての物体は同じ速さで落ちる。
軽いものがゆっくり落ちるのは密度が小さいので空気の抵抗を受けて遅くなっている。
③運動しているものはその運動を継続する。
(慣性の法則)速さが遅くなるのは空気の抵抗による。
④ 太陽が中心で、地球が太陽の周りを回る。
(地動説)
というユニバーサル法則がより普遍的だと古典力学、ひいては現在科学では認められています。ここではニュートンの運動の法則が大きな部分を占めます。

さらにこれらのユニバーサル法則をより普遍的にする、もっと難しい、相対性理論や、量子力学が現在科学にあります。

3)ローカル(身近な)法則はより
普遍的なユニバーサル(より広い世界の)法則の特殊形

一般的にローカル法則は、ユニバーサル法則の特殊な状態で説明できます。ユニバーサル法則の説明で示したようなものがその特殊な状態になります。
また古典力学(ニュートンの運動の法則に代表される力学をこう呼びます)も、現在科学が論じる相対性理論や、量子力学の特殊な状態で説明できます。

ユニバーサル法則がローカル法則を包含して合理的に説明できるという意味で現在科学は説得力が違います。

難しくて申し訳ありませんが、身近な法則も、より普遍的な法則の特殊なものとして説明できるということを分かってください。
身近な法則が間違っているのではありません。しかし、この原則に当てはまらない、議論がかなり以前からおきています。

このローカル法則と、ユニバーサル法則
の説明で、私たちがいかに地球にいる、特殊要因に慣らされて物事を捕らえ、考えているかが良く分かります。繰り返しになりますが、科学の法則はこの特殊要因を取り除く歴史でもあります。

また今の私たちの感性も、どこかでこの地上の特殊要因によって、バイアスされている、歪められている可能性もあります。
そのバイアスされた感性で、今の理論が作られているという可能性もあるということを否定しないでください。
ユニバーサル法則の科学の理論が技術に応用されて初めて、「ああその理論は正解」とわかるもののような気がします。

古典力学であるニュートン力学をはじめ、現在科学の素粒子論や、電磁気学や、物性論、その他思いつかないけれど技術によって人類が恩恵を受けてる、理論は正解なのです。

しかし、ビッグバン理論はこのようなバイアスされているかもしれない感性で作られている理論ではないでしょうか。膨張する宇宙は技術にまったく寄与していませんから、まだ、「ああ正解」という域には達していません。

出典:hayana@foth.jp

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